- 作者: 小松左京
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2005/12/06
- メディア: 文庫
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今までタイトルくらいは知っていたものの、読む機会がなかった本書。ふと、読みたい、というよりも、読んでおかなければならない、という気分になり、一気に読みました。
評判に聞くとおり、緻密な技術的裏取りで説得力のある仕掛けに、巧妙な心理描写、そして、各状況に於いて人間がどのような行動を取るのかの鋭い洞察。引き込まれました。
「危機」を知った時にこの国の国民が取る行動が、まさに今年この国に実際に起こった時の状況とそっくりで、これが1973年に書かれたとはまったく思えず、これが左京節か、と舌を巻きました。
テーマがテーマなので、ときに、現実と小説の中の話が混乱しそうにさえなるご時世の中、非常に後味悪くどんよりした気分になりましたが、一方で、「読んでおいてよかった」という思いも自分の中にある、不思議な読後感でした。
しばらく置いたら、「第2部」も読むことになろうかと思います。
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