- 作者: ジョン・C・マクスウェル,渡邉美樹
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2010/12/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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至極当たり前のことを、とても耳あたりの良い言葉を使って説明している本、というと低い評価をしているようだが、そうではない。本書に書かれている内容を「当たり前」と思えない人たちが少なからず存在することは、私も知っている。 そんな人たちの「当たり前レベル」を少しでも高めてもらうために、本書は役に立つのだと思う。
以下、抜き書き的箇条書き:
・「自分」が動けば、「相手」も動き始める(「己の欲するところを、人に施せ」的な意味で)
・自信という「勢い」ほど心強いものはない
・使命感に燃える人は(略)途中でさじを投げることはないし、やめたいと思っても状況が許してくれない(先日だったか7年前だったかのツールドフランスでヴォクレールが言った言葉とぴったり合致しますね)
・「ムダのない言葉」こそが説得力を生むのだ。(略)伝えるべきことは、短く、簡潔に。
・「一人の批判」を、全体の意見と受け取らない
・「個人的な利害」がからんでいなくても同じ批判をするか(を常に考えてみよう)。批判することで「いい気分」になるか、それとも「心が痛む」か。
牛飼いの話は非常に興味深い。こんな話だ。
初めての選挙活動で演説に、ひとりしか観客が来なかった。彼に「中止すべきか、演説すべきか」を問うたところ、
「自分はただの牛飼いで、牛のことしかわからない。でも、牧場に牛が一頭しか来なくても、干し草を出して喰わせてやりますよ」との返事。そこで2時間にわたって延々と演説をし、感想を求めると、返って来たのは
「自分は牛飼いだから、牛のことしかわからない。でも、牧場に干し草の山を持って行っても、一頭しか来なかったら全部はやらないですよ」という言葉。
誰のために何をするのか、それを考えているか否かがよく表れているエピソードだ。
最後に「ひと」を端的にあらわした、こんな詩を紹介して本エントリを終える。
人が時間をかけるのは、要領が悪いから
自分が時間をかけるのは、丹念にやっているから。
人がやらないのは、怠慢だから。
自分がやらないのは、忙しいから。
言われていないことを人がやるのは、出しゃばりだから。
言われていないことを自分がやるのは、積極的だから。
人がルールを守らないのは、恥知らずだから。
自分がルールを守らないのは、個性的だから。
人が上司に受けがいいのは、おべっか使いだから。
自分が上司に受けがいいのは、協力的だから。
人が出世したのは、運がよかったから。
自分が出世したのは、頑張ったから。