- 作者: ウジトモコ
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2011/09/20
- メディア: 新書
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「とにかくデザイン重要!」という主張の本書。相手に与える印象の異なり方について、前版で紹介された「人生とは、旅のようなものだ」という言葉に3種類の写真を添えてデザインした例が非常に説得力がありました。
身近なところでは Facebook などのアイコンの例が興味深い(デザインに気を配っていない人に対して、やや攻撃的とも感じられる部分もあるが、それだけ思い入れが強いと捉えることにする)。自分(自然人の場合も法人の場合も)が他の人に認識してもらうマークがアイコンであり、しかもSNSなどでは毎日のように目にするものなのだから、そのアイコンにはもっともっとみんな気を配ってもいいのではないか、ということですね。言われると当たり前のようだけれども、言われるまで後回しにされてしまう事ではないでしょうか。
デザインを提案する立場としての著者の考え方は、エスリンガーが著書で主張している内容に近いように感じました。つまり表面を取り繕うためだけのデザインではなく、そのデザインが生きる戦略、環境、方針などとセットで考えるというものです。
後半で「個人ブランド」についての言及もありましたが、これも同様の考え方を各個人が行っていくとより良いと思いました。つまりたとえば「twitterのアイコンにこだわって、絶対に変更しないで "自分" をアピールする」というのは、表面上のひとつの見せ方であって、本来的に「個人ブランド」を構築するには、言うまでもなく、本人そのものの魅力が必要です。「(従来の)デザイン」という言葉が脳内で一人歩きして、「これだけやれば大丈夫」と勘違いする人が増えたら、それはそれで鬱陶しいなぁと思わなくもない次第でございます。
こういった本は比較的幅広い話題を紹介していることもあって、読み終わった後に「私はいったい何を読んだのだろう」となることも多いのですが、4章の最後で、それまでに紹介した様々な視点やテクニックをとりまとめて紹介している点も、理解を整理することができて非常によかったと思います。
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