ライフログのすすめ―人生の「すべて」をデジタルに記録する! (ハヤカワ新書juice)
- 作者: ゴードンベル,ジムゲメル,Gordon Bell,Jim Gemmell,飯泉恵美子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/01
- メディア: 単行本
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ゴードン・ベルのこの本。原書名 TOTAL RECALL。
人類は、自らの機能を補助するために、様々な道具を発明してきた。早く移動し、空を飛び、水の中を散策し、酸素がない場所にも行けるように。
そして本書で取り上げる「すべてを記録」することこそが、人間の脳を外部化するココロミのひとつであると言えよう。
記録するというのは、それを効率よく取り出す仕組みがあってこそ生きてくる。ただ、ゴードン・ベルらの目指しているものは、徹底度がハンパない。「記録偏執狂」とでも呼びたくなるくらい、あらゆるものの記録(しかもなるべく手間をかけず自動で)することに挑戦している。
私自身もそれなりに記録保存派だとは思うが、氏の徹底度には足下にも及ばない。ただ、氏の述べる夢物語に共感するところは多い。なかなか取り出せない今の自分の記憶力と言ったら!
一方で、記録したものを他者(政府を含む)が【絶対に】利用できない、ということを保証する難しさも感じている。一歩間違えば、自分のために記録していると各人が考えて行動したことが、政府(または何らかの組織)によってデータを管理するための方策になりかねないからだ。ビッグブラザー論として時に過剰に心配されることだが、利用できるデータはなんとしても利用したがる人が出るのは当然のことだ。割り切りで利用するか、安全度を高める方策を練る(あるいは待つ)か、それぞれが選択する必要があろう。
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