sakaikの日々雑感~日常編

sakaikの日々の雑記。食べ物、読み物、お出かけ(旅行)などなど

「すべてを記録する」ライフログのすすめ

 ゴードン・ベルのこの本。原書名 TOTAL RECALL。

人類は、自らの機能を補助するために、様々な道具を発明してきた。早く移動し、空を飛び、水の中を散策し、酸素がない場所にも行けるように。

そして本書で取り上げる「すべてを記録」することこそが、人間の脳を外部化するココロミのひとつであると言えよう。


 記録するというのは、それを効率よく取り出す仕組みがあってこそ生きてくる。ただ、ゴードン・ベルらの目指しているものは、徹底度がハンパない。「記録偏執狂」とでも呼びたくなるくらい、あらゆるものの記録(しかもなるべく手間をかけず自動で)することに挑戦している。


 私自身もそれなりに記録保存派だとは思うが、氏の徹底度には足下にも及ばない。ただ、氏の述べる夢物語に共感するところは多い。なかなか取り出せない今の自分の記憶力と言ったら!


 一方で、記録したものを他者(政府を含む)が【絶対に】利用できない、ということを保証する難しさも感じている。一歩間違えば、自分のために記録していると各人が考えて行動したことが、政府(または何らかの組織)によってデータを管理するための方策になりかねないからだ。ビッグブラザー論として時に過剰に心配されることだが、利用できるデータはなんとしても利用したがる人が出るのは当然のことだ。割り切りで利用するか、安全度を高める方策を練る(あるいは待つ)か、それぞれが選択する必要があろう。

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