半年ほど前に読んだあの本 の著者直々のセミナーに参加してきました。
書籍『どんな本でも大量に読める「速読」の本』の「どん」と「速」を取って「どん速」と称していますが、まぁこの名前は置いておいて*1、要するに「本をいっぱい読みたい」人のための講座です。
http://www.matsukatsu.com/02671
宇都出さん自身が「本に全部書いてあるからセミナーは要らない」と当初仰っていたと聞きましたが、確かにその通りで、セミナーのコアの部分は、書籍に書かれている内容に加えての特に新しい情報はありませんでした。しかし、師匠と受講生のみなさんと時間軸を共有する空間には、一種独特の力があり、たくさんの気づきや発見をいただきました。
今回印象に残ったのは大きく以下の3つ。
(1)多種多様な価値観、考え方
(2)師匠自身の実演
(3)気づかされた「本質」
(1)多種多様な価値観、考え方
私自身は宇都出さんの書籍を読んだ時に非常に納得し、共感したので、おそらく価値観や考え方が近いほうなのかな、と思っていますが、そうでない人の声にははっとさせられました。
たとえば、本を読むときにもくじなんて見ない、という人。納品物(ゴールや全体像)を確認しないまま作業を始めちゃう仕事みたいで、私には信じられないのですが、仕事とは違うので、一気に情報にたどり着きたいモチベーションがある時には、そういうやりかたもありなのだな、と気づかされました。
そのほか、今までの自分の価値観と異なる新しいことをすんなり受け入れられる人、違いにとまどう人。観察していると(←えらそう)それぞれの人生観が見えてくるようで、こちらも興味深かったです。
(2)師匠自身の実演
まとまった時間(20分間など)を与えられて、受講生がそれぞれの本を、今教わった方法で実践してみているとき、宇都出さんも分厚い本を眺めてらっしゃいました。
ハードカバーの600ページくらいの本で、もくじをひたすら眺め、本文に移行する。あわせて30分くらいでしたが、そのめくりかた、めくる速さ、そして見積として「あと1時間くらいめくればだいたい知りたい情報は得られたと判断できるかな」という時間感覚と見切り感覚。これはリアルタイムの場ならではの刺激だったと思います。
「読み終わる」とは何か。何を自分はその本から得たいのか。そういったことをしっかり考えるきっかけにもなりました。
師匠自身のテンポ感が、自分にぴったり合うとは限りませんが、ひとつの尺をいただいたことで「見よう見まね」での挑戦がしやすくなります。
(3)気づかされた「本質」
フォトリーディングや今回の「どん速」セミナーで得た、私なりのひとつの本質。それは、読書というのは、とにかく「読みたいという気持ちを盛り上げて」「流れを大切にしてとにかく進む」のが大切だということです。
個々人の内面のことですから、伝えるために様々な喩えや行動に置き換えるのですが、本質的には「いかにして、読みたい気持ちをピークにもっていくか」の工夫であり、「全体像を無意識に意識しながら(つまり「あたりまえに知ってる」状態にしてから)楽しくサクサク進めるか」の方法の工夫であるように感じています。もうひとつ加えるなら「いかにしてそれを忘れないようにしておくか」といったところでしょうか。
宇都出さんの読書手法では、ほとんど「書く」という作業がありません。私は見た物を次の瞬間に忘れる特技を持っているので、特にもくじなどはメモを取りながら読む方法を工夫してみたいと思います。構造的なものなので、こういうときにマインドマップが有効なのかな、などと考えました。書くことが目的化しちゃいそうな怖さは自覚しているので*2、うまくバランスを取れればいいですね。
そんなわけで、午後の6時間。とても有意義な時間を過ごさせていただきました。懇親会でも宇都出式試験勉強法を中心に、持参した様々な本で「この本ならこうやって読むかな」というお話を聞かせていただき、もう、元取り過ぎです(笑)。
夜寝る前に、ノーミソが疲れているなと感じたのは、普段いかにしっかりと使っていないかのあらわれでしょうか。
どうもありがとうございました!
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