クラッシュ・マーケティング

クラッシュ・マーケティング

　ごくごくまっとうなことが述べられていて、特段、手の込んだ珍しい手法や考え方があるわけではないという印象を受けました。それは（比較的この手の本に目を通しているほうだと思われる私にとって）他のどこかで見た内容だからかもしれないし、あるいは、真剣にこのテーマについて考えたときにたどり着く「本質」にはそれほどのバリエーションがないのかもしれない。

　監訳者によると、ジェイ・エイブラハムのDRM（ダイレクト・レスポンス・マーケティング）の本はその後のマーケティングの本に大きな影響を与えたとのことなので、いまどきの「常識」として流布しているのかもしれません。

　クラッシュ・マーケティングという本書のタイトル。結局何が「クラッシュ」なのか、よくわからなかったけれども、停滞要因＝スティッキング・

ポイントを打破するという意味だと捉えると、本書のコンセプトがしっくりと身に入ってくる気がします。原題は The Sticking Point Solution. のようですし。

　広くよくまとまっているというプラス面と同時に、「あれもこれも」感があって、何か１つから３つくらいの格言があると理解しやすいと思っている身としては、少々散漫な印象も受けた一冊。

　一度読んだあとは手元に置いておいて、悩んだときに辞書的に使える本なのかもしれません。

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