- 作者: 苫米地英人
- 出版社/メーカー: 三才ブックス
- 発売日: 2009/05/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 1人 クリック: 18回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
一見してぶっとんだ論旨で、胡散臭さ満点という印象を受けた本書。しかし、説明に使われている用語や世界観を、とりあえず自分の理解できる範囲の言葉や世界観に置き換えてみると、案外、まっとうなことを言っているようにも思えます。
要するに、「自分のペースに巻き込んだら勝ちよ」ということなのでしょう。ほら、当たり前すぎるでしょう? 昔から言われていることですよね。
この「自分のペース」を周囲に伝搬させるために、個々人の「脳」が作り上げているそれぞれの世界観に影響を与える観点が述べられています。
元来、真実は直接理解できるものではなく、我々はそれらを観測によって「認識」しています。そして、この「認識」は、ひとそれぞれが自分の脳内に作り上げられるものなのです。
私の用語では、真実=物理的現実世界、認識=仮想的現実世界(人間が現実 "だと思い込んでいる" のはこちら)なのですが、本書内では後者も「物理的現実世界」と読んでいる点には違和感を感じました。
突拍子もないことを尤もらしく語られて不快になる方でなければ、軽く本書に目を通してみると、得るものが何かあるのではないでしょうか。 カントの本(私自身は最後まで読み通すことができなかったのですが)の主張をバックグラウンドにあると、本書で言っていることの背景が理解しやすそうな気もします。
.