サッカーのワールドカップ、ロシア大会で、日本が決勝トーナメント*1に進出したとのこと。たまたま時間が取れたので私もリアルタイムでテレビで対ポーランド戦を観戦していました。
その後のみんなの反応を見ていて、面白いことに気づいたので、メモしておく。
気づいた事というのは、みんな「同じ試合を同じテレビで見ているのに、実は違うゲームを見ている」ということ。
片や、ワールドカップというゲームを見ている。そして他方はサッカーというゲームを見ている。
前者は、予選リーグを勝ち抜いて決勝トーナメントに出るというゲームを見ているので、予選通過のための条件と照らし合わせながら、目の前で起こっていることを理解できている人たち。後者は、目の前の1試合だけを見ている人たち。
全然違うゲームのルールで試合を見ているのだから、そりゃぁ、会話がかみ合うはずがありません。将棋で言えば「桂馬がタダで取られそうになっているのに、守ろうともしないで他の箇所に手をつけた!」と憤っているようなものです*2。
えっ?私? そりゃぁワールドカップの時くらいしかサッカー見ないので、サッカーというゲームを見ていますよ。目の前の1試合で、選手たちが活躍して格好良いプレーで点を入れて、勝ってくれるのを期待していますよ。だから監督があの場で「残りの時間、こんな感じでいきま~す」って宣言してくれたなら、見るのをやめて、あと15分早く寝ましたよ。なので「見たくない試合を見ちゃったなぁ」というのが私の感想。私の睡眠時間を返せ!(笑)
一方で、状況をしっかり把握して「待ジャパン」になる指示を出した監督、それを臆せずにきちんと実行できた選手たちの強さにも敬服します。野球で、半端に敬遠していたら、その球をホームラン*3にされちゃったみたいな話があったかと思いますが、敬遠なら絶対に打たれない場所にしっかり投げる、サッカーで時間稼ぎするなら絶対にミスしないように大きくパス回しをする、それがしっかりできたのが素晴らしいなと思いました。
このまま試合終了しても、決勝進出が確約されているわけでもなく、同時並行している別の試合の結果次第だったので、この時間稼ぎの作戦も、かなりの賭けだったわけですよね。会社の経営でも、こんな不安定な賭けはなかなか選択できません。ましてや今回のように、自力で1点狙いに行くことによって確実に決勝に出られるという道も選択できた状況では。
話を戻すと、「ワールドカップを見ていた」人たちは、目の前に落ちている100円玉に気を取られずに、3m先に舞っている一万円札を見ることができている人、「サッカーの試合を見ていた人」は、目の前に落ちている100円玉を律儀に拾って一万円札に気づかない人*4、と言えるかもしれません。