久々にプロのオーケストラのコンサートに行って楽しかったので、思い出を綴ってみます。
最近の行動エリアの変化で、紀尾井ホールへのアクセスが良くなったことから、ふと興味を持って行ってみました。
思い出してみても、プロのコンサートに行くのは20年近くなかったと思う、超久々のこと。
行ったのは紀尾井ホール管弦楽団の第107回定期演奏会。演目は
ルーセル:「蜘蛛の饗宴」から交響的断章
ショパン:ピアノ協奏曲第2番
ビゼー:交響曲 in C
の3曲。指揮はジョン・ネルソン。
座席は2回の横側にしました。舞台前端をちょうど真横から見るような形になり、楽団の左三分の一は見えません(笑)。
ルーセルは特に思い入れもない曲だったこともあり、イマイチよくわかりませんでしたが、すごかったのがピアノ協奏曲。ショパンのオケなんて聴いてもねー、なんて斜に構えていてすいません。
ピアノ演奏者の真後ろから覗く込む形になり、まずこれが楽しかったのが一点。そしてピアノソロの緩急自在、自由奔放な演奏にあっという間に引き込まれたのですが、後で調べて知った今回のソリスト 小菅優さん。音大を出ているわけではなく、コンクールへの出場実績もない、いわゆる「野生児」(ほめ言葉)だそうです。フェザータッチのような柔らかい音から、力強い音まで幅広く、音楽全体が楽し気に舞っている様子に引き込まれました。
その高揚感のまま、休憩後のビゼーへ。途中で寝ちゃうかも、なんて心配はどこへやら。最後までたっぷり楽しみました。
私がコンサートにあまり足を運びに行かなくなったのは、他のお客さんでで嫌な思いをすることが多かったことが理由のひとつでした。演奏中に小銭を数えたり大いびきをかいたり、我先にブラボーを言いたがったり。
しかし、紀尾井ホールの今回の演奏会は、ちょっと変な言い方ですがすごくお客さんの質がいいと感じました。全然ストレスがない。一緒に音楽を聴くことを楽しめる仲間、みたいな感覚を受けました。これが今回の演奏会だけのたまたまでないことを祈る。
それから、私も舞台に立つ側をやめてから10年以上。以前と比べてピリピリしながら、まるで採点するかのような聞き方をしなくなったという面もあるのかもしれません。何よりも、相当の専門的な腕前を持った人たちが、我々数百人のために練習してきて、今ここで演奏をしてくれているのだということが、うれしくてうれしくてうれしくて。
音楽を聴くのって、こんなに楽しかったんだ!と今更ながらに発見した、今回の演奏会でした。
とは言いつつも、やっぱりファゴットパートには目がいってしまうのは染みついた習慣のようで、ルーセルでのセカンドの大澤さんの音の太さにしびれました。福士さんは次回モーツァルトのコンチェルトをやるので、楽しみです。名簿を見ると上総さんもメンバになっているようなので、いずれ生で聴けることを楽しみにしています。上総さんは 大昔にN響にデビューしたときに「桐生さん(だったかな)を従えてトップを吹いてる、あの若い人、だれ!?」と仲間内で話題になって以来ずっと気になっていました。
次回の定期演奏会も行く予定にしてるので、また違う席からの違う楽しみを味わえたらとわくわくしています。
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