- 作者: 日本語力向上会議
- 出版社/メーカー: 角川学芸出版
- 発売日: 2010/02/10
- メディア: 新書
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いわゆる「誤った用法」をたくさん紹介する前半。スマートに表現するための婉曲表現を紹介する後半、という構成。
前半は「また、この話か」という例の連続。貧しい表現。丁寧に言っているツモリが相手を見下した表現になっている事例。誤った組み合わせ(「的/得る」「愛想/振りまく」「青田/刈る」など)。
後半は一歩上の表現。「尾籠な話で」は、なかなか使えないなぁ。呼ばれた結婚式を不幸により急遽欠席するときに使う「よんどころない事情で」は、特に急なことで慌てているときには咄嗟には出てこないなぁと思った。宴席などで「少しつめていただけますか」の代わりに「恐れ入りますが、お膝送りをお願いできますでしょうか」というのは、初めて出会った表現だが、美しい日本語だなと感じた。
そのほか、「ご愁傷様でございます/恐れ入ります」「冥利につきる」「過分なお心遣いを頂戴して」など、忘れかけていた美しい表現を思い出させてくれた本書だった。
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