2週間ほど前の6月8-9日に、函館に行ってきました。夕方に函館入りして、よく昼過ぎの飛行機で札幌に向かうという、短時間の滞在でしたが、実質(起きている)時間が数時間とは思えないほど充実し満足した函館滞在でした。
以下、参考になる方もいるかも(という思いと自分自身の振り返りの意味も含め)と思い、勝手観光ガイドとしてまとめてみました。
事前のプラン
JR線で17時頃函館駅に到着予定。駅前のホテルにチェックインして身軽になって、
(1)山頂に行って夜景は見たい
(2)山から下ったら、タクシーあたりででも途中の見所に寄り道してもらって駅前に戻ろう
(3)夜は塩ラーメンでもいただこうかな(気になるお店はチェック済)
(4)翌日朝ご飯は市場でちょっとぜいたくなどんぶりがあるようなのでそこで
(6)あとは市内見たり、五稜郭は見に行きたいな、時間になったら空港に行こうか
というあたりの比較的ゆるいプランで考えていました。比較的事前の準備を周到にする私にしては珍しく、山頂への行き方も空港への行き方もほとんど調べずに訪問しました。まぁ「夜景と五稜郭見たら、いいか」みたいなところはありましたので、気楽に。
函館到着
青森から、特急「白鳥」に乗って函館へ。
函館の駅は、行き止まりなのです。後の写真でも紹介しますが不自然に曲がっているところもまた、函館の歴史を感じさせる魅力です。
青森、函館、長崎、太宰府。行き止まりの駅。到着した電車は折り返す以外にない駅。そんな駅独特の魅力を感じます。
駅の建物内に観光案内センターがあるので、地図をいただいたり、気になっていた交通手段について簡単にお話を伺いました。
山頂へ。
山頂へはいくつかの行き方があるのですが、私は、ホテルの人お勧めの「直通バス」を選択することにしました。函館駅前から360円、約30分で山頂まで連れて行ってくれます。
函館駅前のバス乗り場「4番」から。13:15, 17:50, 18:20,40, 19:00,20,40, 20:00,30, 21:00 発でした(2011/06/08現在。2011年は 5/23から運行とのこと)。「函館山登山バス」です。
函館山を登る道は、基本的にマイカー規制だそうで、バスとタクシーのみが進入できるようです。くねくねした道をバスは結構大胆に登っていきます。途中で2カ所ほど景色が開ける場所がありますが、2:1で右側のほうが見える率が高かったように思います。まぁスグに山頂に着くので、途中頑張って見なくても良いとは思いますが(笑)。景色が開けるところでバスが徐行してくれた(気がする)のが、さりげない素敵なサービスだなと思いました。そうそう、バスにはガイドさんが乗車していて、ちょっとした案内などをしてくれるのもよかった。
山頂で
私は 17:50 のバスで登ったので山頂に着いたときはまだ明るく、人もほとんどいない、ゆったりした空間がそこにはありました。
日が沈んでいく方向を見ると、写真の撮り方によってはこんな感じにもなります。夕日がきれい。
日が沈んでいくのと反対側(場所はさらに2階ぶんくらい高い展望台に移動します)には函館の美しいクビレが待ち受けています。
よく見ると、青函連絡船の記念船である摩周丸のほうに向かって、JRの線路が不自然に曲がっています。船から下りた人がJRに乗り、船に積まれた貨車がそのままひっぱり出されて移動していく、そんな歴史をこのカーブに見ることができます。
上記山頂写真、すべて、2011/06/08 の、だいたい18:20頃のもの。
そのまま、19時過ぎの日没を待っていたのですが、どんどんガスが出てきてしまいました。「曇ってきたのかな」とそのときは思ったのですが、山を下りても町じゅうがガスにつつまれていたので、「もや」だったようです。
到着したときにはガラガラだった山頂も、この時間になると、小中学生(?)らの団体さんを含め、賑やかになってきます。
もやがすごかったので、まだ山頂にはたくさんの人がいましたが、私は次のロープウェイを待って少し早めの 19:50 にロープウェイで下山しました。この時間の下山は10人ちょっと。大きなロープウェイの箱に、ゆったりと乗りました。
夜道歩き
ロープウェイの降り場前には、たくさんのタクシーが待っていました。乗せてもらって、何カ所かきれいなところに寄ってもらって帰るのもいいかな、と思ったのですが、持ち前の「歩け歩け精神」がその思いを押しとどめ、気づいたら歩き始めていました。
まずは教会群。ここはロープウェイ乗り場からそれほど距離はありません。
そしてそのまま北西に歩いて、八幡坂、日和坂の景色を味わい、公園に行き当たりました。いい加減「このへんで勘弁したろ」という気分になったので公園に沿って坂を下りることにしました。途中カーブがあり、基坂(もといざか)で路電のあるメイン道路まで降りました。
写真のタイムスタンプを見ると、基坂の上で 20:12。
街の空気や、音や、石畳の感触を味わいながらゆらゆらと。もっと長いこと歩いていた気がしましたが、20分程度だったようです。ここまで歩いてきた道は、そして最低限の明かりはありますが、人通りはそれほど多くなく、女性の一人歩きだとちょっと怖く感じるかもしれないな、と思いました。
見かけた観光客らしい人は、タクシーで回っていたカップル一組、ぶらぶら歩いていた妙齢のご夫婦3組くらい。女性ひとりあるき1人、あとは地元の高校生とかがチャリぶっとばしていました(笑)。それくらい人通りがなかったです。平日だからかなぁ。
坂を下りきった後は、さらに海の道まで下って、
・明治天皇の上陸記念碑を見て
・北海道第一歩の地碑を見て
・なんか色々モニュメントを見て
ぶらぶら歩きました。函館の街、なぜか人をモチーフにしたモニュメントが至る所にあって、暗い夜道をひとりで歩いているとドキッとすることがありました(笑)。
道なりに直角に曲がったところには、れんが通り。ガイドブックで見たことはあったけれど、こんなところにあったのか! 翌日に見に行くかもしれなかったところを、図らずも美しいライトアップの元で見ることができて、ラッキーでした。ここまで来ると、近くで呑んでいたらしき方々とかと多くすれ違うようになります。車もそれなりに通っていて、町中に戻ってきたなという印象を受けます。
そして、今回私が密かに一番感銘を受けた名所。おそらくどのガイドブックにも、それほど多くは取り上げていないであろう場所に出会いました。
「七財橋」。
ななつの財産の橋ですよ。小さな橋(結構車通りは多い)ですが、シンプルで本当に美しい。
自分にとっての「7つの財産」って何だろう。お金とか家族とか仲間とか経験などはすぐに思いついたけれど、意外と「財産」と呼べるものを自分がさほど意識していないことに驚かされました。きっと、7つはあるはず。自分にとって何が「財産」と呼ぶほど大切で、何が実はたいして大切でないものなのだろう。そんなことを、この小さな橋の上に佇みながら、しばし思い耽りました。
これはとても大きな示唆をもらったと思っているので、時間をかけて、というよりも今後ずっと自分の思想の底辺として常駐させたいと思える考え方でした。歩いてよかった。この橋に出会えてよかった。
はこだてビール
レストランがかたまっている一角を抜けて、一本内側の道を歩いていると、魅力的な看板が! ごはんは駅前に戻ってラーメンを食べるつもりでいたので、一旦通り過ぎたのですが、ワンブロックくらい行ってから思い返して戻ってきました。
私の足を引き戻したそのお店は、「はこだてビール」。地元風味ぷんぷんの名前に加え、ビールの飲み比べのできる「おためしセット」。この引力はとても強力でした(笑)。
このとき 20:40。山を下りてから約50分歩いていたことになります。逆に言えば、たった50分、ぶらぶらのんびり歩くだけで、こんなに函館の街を堪能できるということです。
で、肝心のビール。それぞれに苦みが強かったりさらっと飲めたりなど「飲み比べ」が楽しかったです。一方で、味わおうとしてチビチビ呑みがちなので、もっと量の少ないのをさっさと飲み比べて、中から気に入ったものをジョッキで一杯がーーっと飲むようなのがハッピーかな、とも思いました。テイスティングみたいな感じですかね(よくわかってない)。
平日だし閉店時間が近かったせいもあってか、客は私を含めて3組のみ(3人家族連れと2人カップル、そして私1人客)。ゆったりできたけどお店大丈夫か心配しちゃった。
飲食モールエリア
函館駅前まで戻ってきてから行ったのが、大門横町。小さな屋台風お店があつまった屋台村です。私の目的はラーメン屋さん。「龍鳳」というお店です。
先ほどのビールで少しお腹が一杯気味だったので腹ごなしにお店の周りをうろうろしていたのですが、気さくな店員さんが声をかけてくれたので事情を話すと「ハーフもありますよ!」とのこと。ということで、いただいて参りました。
さっぱりしているようで深くから鶏(?)が香るような味でした。塩ラーメンって滅多に食べる機会がないので、目の前でどんぶりに大量の白い粉を入れているのを見た時に、ちょっとドキッとしました(笑)。
この日はこのまま宿に帰って休みましたが、参考までに駅前のもやの様子。
函館朝市
翌朝はアサイチで朝市へ。6時頃からあいているようです(私はもう少しゆったりと出て行きましたが)
とにかくカニとイカがすごいです。1ぱい数千円の動くカニをゴロゴロ売っています。至る所でイカが泳いでいます。気が弱いとたくさん買わされちゃいそうなくらい、市場の人は押しが強いです(笑)。
朝ご飯は、500円のお店もありますが、だいたい1000~2000円くらい出すつもりで見て回ると、好きなお店を選べるかな、という感触でした。私も廻っているうちに、どこが良いのか違いが分からなくなってきてしまい、愛想の良いお母さんが声をかけてくれたお店でいただくことにしました。
好きな具を3種選んで1,500円。割高かなという気もしますが、旅行客なので、ここでしか味わえないことには多少多めにお金を出さなきゃ(^^)。
青函連絡船摩周丸
市場の近くの港には、青函連絡船の記念船である摩周丸があります。以前の日記で、青森側の船と併せて紹介していますので、そちらを参照ください。
http://d.hatena.ne.jp/sakaik_life/20110609/renrakusen
艦内の見学には入場料が必要なのと、それなりに階段の上り下りを含めて歩き回りますので、そこまで興味はないなぁという方は、外側から眺めるだけというのも良いかと思います。
摩周丸の前のほうまで行ける橋が造られていますので、そこで船と記念写真を撮るのも良いでしょう。
ちなみに(旅客の)連絡船は当時2カ所同時に停泊できたそうで、もうひとつの船着き場がこちら。
こういった隠れた歴史を見るのも、現地に行って「好きなところを見られる」ことの醍醐味ですね。気にしないと「そういえばボロボロの岸壁があった気もする」というだけのもので終わってしまったりしますから。
ちなみに、摩周丸エリアを離れたのがだいたい11時過ぎ。
五稜郭へ
市電(路面電車)の一日乗車券を買って、函館駅前から五稜郭公園前まで。
市電の駅から結構(10分くらい?)歩いて、まずは五稜郭タワーへ。地上90メートルから五稜郭を一望できます。大きすぎて写真とれない(笑)。
タワー到着がだいたい11:30頃。
タワーを降りて五稜郭の入り口に立ったのが、12:15頃。
藤棚を抜けて、真ん中の奉行所へ。
五稜郭自体は通常の「お城」に比べると、全体がフラットだし敷地もかなり狭いので、隅々まで歩くことができます。お堀の内側のお星様の形に添って土手のようになっていますが、その上を歩くこともできます(出入り口が何カ所かあるので、そのたびに土手から降りる必要はあります)。五稜郭を体で感じたい人にはおすすめ。
また、時代がいってからの築城なので、完成された石積みは石垣好きにはたまりません。
市電の車庫
もう少し時間があったので、函館空港に向かいつつブラブラしようと、また市電へ。五稜郭公園前から市電に乗ったのが13:05頃。
何駅か乗っていたら「駒場車庫前」という停車場がありました。思わず途中下車(笑)。一日乗車券はこういうことができるので便利なのです。
今回は時間の制約もあったので外から勝手に眺めるだけで済ませましたが、事前に連絡しておくと中の見学もさせていただけることがあるみたい。長崎の路面電車の車庫では中を見学させていただいて、全国から車両が来ている様子などを見聞きしてとても良い経験をさせていただいたので、時間に余裕があったら函館はじめ他の地域でも見学させていただきたいなぁと思いました。
花形電車のご出勤の様子や、おつとめ終えた車両が車庫に帰ってくる様などを見ることができます。
空港へ
車庫前から再び市電に乗って、とりあえず空港に近づく方向の終点「湯の川」まで行くことにしました。
湯の川は正真正銘、市電の終点。はしっこです。市電の終点って、線路がなくなりコンクリの壁があるだけというのが多く、そのそっけなさがとても素敵です。
で、、、、端っこまで行けば空港に行く方法は分かるだろうと思っていたのですが、ナメていました。
・・・・なにもない(笑)。
少し周辺を歩き回り、ほどなく適切なバス停を発見。いくつかの行き先で共有しているバス停でしたが、通信機能搭載のデジタル化されたバス停で、「○○行きは、xx分遅れであと△分で到着します」と逐一状況が表示されるので、不安なくストレスなく待つことができました。
約20分で空港到着。私を待ち受けていたのは・・・・・
あはは、、、、、、
夕方までに札幌に着かなきゃいけないんですけど・・・・と、へろへろな気持ちになりながら欠航の手続きをすると、なんと、ANAに振り替えてもらえるとのこと。乗る予定だった飛行機よりも一回り大きくなりましたが、予定時刻とそれほど変わらずに到着することができました。よかったぁ。 丘珠に降り立ってみたかったのですが、これはまたの機会までおあずけに。
これだけ近いと、離陸して、飲み物いただいた途端に「着陸態勢に入ります」ってアナウンスが出たりするのでおかしかったです。
まとめ
ということで、私がたどったルートを中心に、函館の観光ポイントなどを紹介してみました。
ほんの少しの心残りがあるものの、予想していた以上に色々見て回れて充実した函館滞在でした(函館駅到着から出発のための函館空港到着まで約21時間。睡眠と単なる移動の時間を考えると大満足の滞在でした)。
ちなみに心残りというと、、、、
・ラッキーピエロのハンバーガーが話題らしいので食べたかった。五稜郭タワーのすぐ脇にあります
・もう1杯くらいラーメン食べたかった。これも五稜郭タワーの近くに「あじさい」があったんだよなぁ
・市電の、反対側の端っこ2駅も、行ければ行ってみたかったなぁ
・からっと晴れた夜景は、やはり見たかった。本当にこれは惜しい。。
あと、はじめての地域に足を踏み入れたら必ず見なければならないのが「足もと」。そう、マンホールですよね。函館でも2つのきれいなマンホールのふたを確認しました。