- 作者: 松岡克政,木全賢
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2010/03/16
- メディア: 新書
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何年も前から、巷(の一部)では「マインドマップ」という表現手法というのかメモ手法というのかプレゼン手法というのか、そういうのが流行っている事は知っていた。私が持っているのは、基本的には「ニガテ意識」だ。
あまり上手でない人たちのものを見せられて「却って判りにくい!」と感じたからかもしれないし、PCでメモを取ったり思考を整理したりする私にとって、マインドマップは基本的にはブレイクダウンストラクチャーなのだから、わざわざPCで扱いにくい「図」で書かなくても、テキストエディタのインデントで十分、という思いがあったのかもしれない。それは(PCのほうが早いと感じることで)「手描き」に対する苦手意識とも言える気がする。
苦手意識と言えば、いわゆる「上手なマインドマップ」は、カラフルで、楽しげなイラストをたくさんちりばめてあったりする。図全体に、芸術的なセンスさえ感じる。これが、私にはダメなのだ。絵を描くのがニガテなのだ。恥ずかしいのだ。
本書で紹介される「マインドマップ」は、サブタイトルにもあるとおり、まさにこの「デザイン思考」である。
何気なく賑やかしに使われているかのように見える数々の色にも、センス(もっと言えばルール)が感じられるし、枝の延ばし方も端まで行ったと思ったらきれいに戻ってきたりして、とにかく、きれい。
しかし、おもしろいのは、本書を全く読まずにこの図を見せられたとしたら、「おまえにその図を描けるか?」に自信を持ってNoと答えていた(あるいはゼロパーセントと答えていた)だろうところを、本書を読み終わったあとには、「多少の自分なりの(こだわりのないところやニガテなところを)省略したものなら、もしかしたら自分にも描けるかもしれない」と感じるようになっていたことだ。
線の延ばし方のコツ、そこに書く言葉。イメージを膨らませながら、サクサクと発想を整理したりアイデアを導き出したり、MECEでまとめあげるのに向いているのかなと感じた。
未だにわからないのが、マインドマップはいったいどんなシーンで使うことを想定されているのか、ということ。本書でいうところの「きれいにまとめあげる」ということは他人に見せるということでもあり、一種のプレゼンツールでもあり作品でもあるという位置づけなのかな、と思うのだが、私としては、頭の中のモヤモヤしたものを、一旦全部はき出す際のテンポラリのもの(見える化したもの)にもっとも向いているように感じた。(本書では様々なシーンでの例を紹介しているが、それらの思考法がすべて根底で繋がっていることが今の私には見えていないので、まだまだ何か大切な本質を見つけられていないのだと思う)
興味を持ってもうしばらく「マインドマップ」を追いかけてみようと思った。
今月半ばに著者の松岡さんのセミナーを受ける予定があるので(マインドマップ中心の講座ではありませんが)、より感覚的な部分での「マインドマップのこころ」を感受してこられたらと思います。
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