- 作者: ジェームス W.ヤング,竹内均,今井茂雄
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 1988/04/08
- メディア: 単行本
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あの伝説の、ジェームス・ヤングの「アイデアのつくり方」です!!!! と書きたいところですが、今までこの本のことを私は知りませんでした。
全体で100ページ程度(実質50ページ程度。しかも大きな字)の小さな本ですが、だからこそ、余分なものを取り去った本質がぎっしりと詰まっている50ページです。オビの文句もそういえば「60分で読めるけれど一生あなたを離さない本」でした。
内容としては、普段私がやっていることと大きな差はありませんでしたが、自分なりに発見し(たとおもっ)てやってきたことを、このような歴史的名著に裏付けされたということは、自信にもつながりました。
アイデアを作り出すには、
(1)資料集め
(2)資料に手を加える
(3)孵化
(4)誕生
(5)具体化、展開。
の5段階があるそうだ。私の言葉で言い直すと、
(0)問題の認識、課題の設定
(1)情報収集。とにかく関連する情報、周辺情報などを集める
(2)恣意的加工。意識して、突拍子もないものも含めて、集めた情報を脳内(実際は紙も使う)でごった煮にする。ここでは結論を求めない。とにかく面白がって色々組み合わせて追加して、「新生物」を生み出す。
(3)前の段階で自分の中に、アイデアの卵があふれそうな程に満たされているはず。このまま続けると恣意の詰まった、つまらない結論になるので、一旦放置する。寝ている時やたまたま街中で目にしたものと結びつくなどして「ひらめき」がやってくる。(4)
(5)でてきた「ひらめき」を具体的な形にする。ネガティブチェックも行い、アイデアを説得力のある良いものにする。
という感じ。とにかく「材料集めて、寝かす(無意識にまかせる)」という手法が一致していたことを嬉しく思った。
これには2つの示唆があります。 「寝かす前に溢れんばかりのネタ元を持っておくこと」「一気に答えにたどり着こうとせずに一旦寝かすこと」。これさえ守れば、いいアイデアが出やすいことは、私も実証済みです。お試しあれ。というかぜひ本書を一度読んでいただきたい。
蛇足ながら、一点だけ添えさせていただくと、実はこれらのアイデアだしの中でもっとも重要なのが(0)の課題の設定の部分だったりします。なにをしたいのかが明確でないのに、それを解決する一番良いアイデアなんて出るわけがありません。
クライアントから依頼される場合ならともかく、これからは自らの課題設定の脳力も重要になってくるのだろうな、とこのエントリをまとめながら感じました。
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