- 作者: 川口淳一郎
- 出版社/メーカー: 飛鳥新社
- 発売日: 2011/02/04
- メディア: 単行本
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現在私が世の中の空気に対して感じている違和感をズバリ明確にしてくれた本書。
失敗を許容できない空気が蔓延している昨今。初めて実施することであっても、1回中1回成功させなければならない、そんな圧力を常に感じている人が多いことであろう。
もちろん失敗が与えるインパクトには軽重ある。影響の大きいものについては「1回の本番」を確実に成功させるために幾度の「失敗(が許容された)リハーサル」を実施するべきなのであるが、そのリハーサルでさえ失敗が許されない、その結果、不十分なリハーサルで大切な本番さえも失敗してしまうという悪循環さえ生んでいる。
本書『「はやぶさ」式思考法』では、そんな考え方を「減点法」と呼び、「はやぶさ」プロジェクトに於いては「加点法」の評価を採ったとのことだ。これは失敗のたびに減点=評価が下がる=をしない、という意味のほか、「最初に上限を決めてしまわない」という意味も含んでいる。ここでいう上限とは「満点」と言い直しても良い。減点法では満点があらかじめ決まり、そこからあとは減っていくだけというわけだ。「はやぶさ」式の加点法では、可能性は青天井。中には思い通りにならないものもあろうが、トータルで(減点法で言うところの)100点満点を超える成果を得られる可能性を含んでいる。
そのほか「悪い結果を早く知ったからって何になる?」という発想にも、感銘を受けました。
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