- 作者: 山梨広一
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2010/12/24
- メディア: 単行本
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やらねばならない/やるべきである事がある時に、イヤイヤふて腐れてやっても楽しみながらやっても、結局やらなきゃならない事には変わりない。それなら、なるべく楽しんだほうが楽しいじゃないか!という、言葉にしたら当たり前すぎることを知らない人が意外と多いということに最近気づきました。
そういえば10年以上前のスポーツ選手は、ミスをして笑顔を見せているとずいぶん叩かれていたなということを思い出します。その場で萎縮したって状況がよくなるわけではないので、それ以降で良い結果を出すために胸を張って継続する。「楽しむ」とは目的が違うけど、楽しむことで良い結果を出せるという点で根源は一緒なのだろうなと思っています。
そんな事を考えている私にとって、本書のタイトル「面白がる思考」は表紙だけでも共感ビンビンでした。
ただ、この本で「面白がる」シーンが、かなり狭く限定されてしまっていたのは残念。本書では主に「アイデア出しのシーンにおいて」面白がって考えるとよりよいものができる、という切り口で紹介しています。
「思いつき君」「ヒトマネ君」「堅実君」「面白がる君」という4人の仮想キャラを登場させ、いくつかの事案についてそれぞれのタイプがどのように発送するかを紹介し、「面白がる」ことで広がる可能性を紹介してくれています。
まぁ、この4つの典型的なタイプを出された時点で、「面白がる君」が「おもしろいもの」を出すのは目に見えていますけどね(笑)。
後半では、マスではなく個に目を向ける、すなわち、広がりより深さが重要である事の紹介もあり、共感しながら読み進めました。
やはり残念なのは、タイトルがミスマッチだということ。本文の主張にも共感するし、タイトルにも共感するのだけど、何か時空がずれている気持ち悪さは否めませんでした。このタイトルであれば、それこそ、タイトルに見合った「深さ」を追求して欲しかったし、逆に(通常こちらでしょうけど)本文を書き終えてからタイトルを決めたのであれば、より内容全体骨格となるものをつけてもらいたかったな、とその点だけが残念に思いました。
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