sakaikの日々雑感~日常編

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小さな会社の 正しい給料の下げ方・人件費の減らし方(「給料の作法」)

小さな会社の正しい給料の下げ方・人件費の減らし方

小さな会社の正しい給料の下げ方・人件費の減らし方

トラブルにならない・社員の正しい辞めさせ方給料の下げ方』(http://d.hatena.ne.jp/sakaik_life/20100114/p1)(通称「辞めさせ本」または「解雇の作法」)や『小さな会社の トクする 人の雇い方・給料の払い方』など、雇用に関する本をこれまで出版されてきた井寄さんの、最新刊です。

 今回は「人件費」にスポットを当てています。前作の辞めさせ本でも給料を下げる話はありましたが、給料というのは社員にとっても経営側にとっても大切なもの。前作では書き尽くせなかった大切なことが、本書には書かれています。


 経営者が「うしし」と内心で算盤を弾きながら、少しでも給料を下げてやろうとしている、という印象をタイトルから受けますが、そんな方にこそ自分の目で本書を確認してもらいたい。

 いかに人件費(給料)を変更することが大変なことなのか、そして法律上の縛りも多いことか。むしろ本書のタイトルは「給料はいかに変更し難いものか」あるいはイマ風にするなら「経営者の皆さん、給料を下げるのはあきらめなさい!」といったものにしたほうが、より正確であるかのようにすら感じます。 経営者は社員の日々の生活の原資を担っていることを考えると、そのために受け持つ責任そして制約というのは当然と言えるかもしれません。

 そのためか本書では、各社員の現在の給料を変更するということよりも、今後入ってくる社員の給料の決め方という点に重心を置いています(もちろん、現在の給料を変更する場合の、法律上の注意点や発生しうるリスクについても詳しく紹介されています)。

 小さな会社を経営されている方ならば、そして特にまだ小さくて、人が増えていくのはこれからという会社を経営されている方ならば、絶対に知っていなければならないことがたくさん書かれています。おすすめ。


 一方で、経営者以外のおつとめの方が本書を読めば、自分の給料の決まるしくみへの理解が深まると思います。「頑張ってるのに経営者の私腹のせいで」自分の給料が上がらない、と思っていませんか? 自分の何に対して会社はお金を払ってくれているのか理解していますか? 様々なリスクを取っている経営者と何のリスクも負っていない(何かあったら単に辞めればいいだけの)自分を同じ評価基準で判断していませんか?

 ものごとに対する理解力と判断力がある方なら、最近Web上で見る広告風に言えば「えっ!?私、給料もらいすぎ??」と愕然とすることでしょう。

 そういう意味でも、経営者だけでなく、小さな会社でお仕事をされているすべての仕事人にも、本書の内容を知ってもらいたいなぁと思いました。


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