OSC2010-Shimane の翌日、山を越えて山陽側に出て、岡山から帰ることにしました。朝 9時58分に松江を出る特急やくもに乗って、まずは倉敷まで。
安来駅では反対側のホームに、出雲方面へ向かうサンライズの姿が。そういえば来るときに降り立った安来駅のホームで、何か特急らしい姿を見た記憶が微かにあります。まさかそれに今日乗っているとは、、、という符号に驚いたのと、あの電車に乗って島根に来たのは、たった2日前の事だったのかという思いとが重なりました。それほどに濃い2日間でした。
やくもの中では、なにやら国土交通省のアンケートを依頼されました。幹線鉄道旅客流動実態調査というものらしいです。こんなの初めてでしたが、その後の飛行機の中でも同様のアンケートを依頼されたので、全国一斉流動動作の日か何かだったのでしょう。
倉敷に到着し、やくもを見送ります。乗ってきた電車って、見送りたくなりますよね。後ろ姿を見送ると、なんだか少し寂しい気分になります。
駅前からぶらぶらと歩いて、大原美術館のお庭を通り抜けして、芸文館付近へ。ここに将棋の大山名人記念館があります。
展示されている扇子や優勝賞品の数々には、やはり重みがありました。じっとその前に立っていると、時に、吸い込まれそうな気分になります。
記念館自体は、なんというか、、必要な時には奥の和室で対局が行われるのでしょうけど、ご近所の愛好家がたむろして、どうでもいいバラエティー番組を大音量で見ながら世間話しているような、なんだかよくわからない場所でした。
倉敷で一番の名所(だと思う)「美観地区」も歩いてきました。倉敷側に沿った柳と白い壁の建物。趣はあるのだけど、ここは少し蘊蓄を垂れる人と一緒に歩きたい場所だなと思いました。すごいものがいっぱい目に入ってきているのだろうけれども、ひとりでよくわからないで歩いていると、そのほとんどが右目から入って左目に抜けていくような感じです。
お昼はアイビースクエア内で。想像していたよりも蔦に厚みがありました。もっとびっちり壁に這っているものだと思っていた・・・
個人的にはかなり魅力的に感じたのが、アイビースクエア敷地内にある「オルゴール・ミュゼ」。要するにオルゴール販売店なのですが、実際に音を聞ける展示品が多いのです。 私が知っている「オルゴール」とは全然違う透明感のある音を出すものが多く、良く見てみると櫛の歯の先っぽが細くなっていました。なるべく小さな点で発音させるということなのでしょうかね。
そして倉敷で一番気に入ったのが、倉敷駅に向かう帰り道にたまたま通りかかった「国指定重要文化財 井上家住宅」でした。美観地区を含め、町並み全体が「作られた物」の薫りでいっぱいだったのに対して、これはホンモノです。当時のあれこれに思いを巡らせるのに十分なオーラーがたくさん出ていました。
現地には説明をしてくださる方も居て(ボランティア、、なのかな?)、2階の窓に(近所の家々と異なって)防火板が取り付けてある話などを聞かせてくださいました。
全体として、倉敷。今回訪問して、一度は自分の目であれこれ見たり空気を吸ったりすることができたのはよかったのですが、当面、今回の1度でいいかな(他にも行きたいところはたくさんあるし)、というのが正直な感想でした。
「いかにも作られた感」に冷めちゃうところがあるのかもしれません。