- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2009/04/24
- メディア: 単行本
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ひとつ前の日記(http://d.hatena.ne.jp/sakaik_life/20101014/p1)で紹介した『頭脳勝負』の近くにあったので、一緒に図書館で借りてきた一冊。
なんとなく将棋系の(棋譜解説ではない)読み物を読みたいなという気分で一緒に借りたのですが、まさか、これほどまでにストーリーがつながっているとは思ってもいませんでした。
もう、結論を先に書いてしまいますけど、これらの本を読んだことがない方(将棋がちょっと気になるという方)には、絶対に「渡辺竜王の本を先に読んで、その後にこの梅田さんの本を読む」ことをお勧めしたいです。渡辺竜王の本で背景や基礎知識が自分にインプットされ、その前提知識のおかげで、本書を存分に楽しむことができます。
それにしても梅田さんがここまで将棋に入れ込んでいることは知りませんでした。梅田さんならではの人脈と経済力によってのみ可能な行動もたくさんあり、それを以て「みんなもやってごらんよ」的なお誘いをされても、「あはは、無理ですよ」と答えざるを得ないのですが、現地に行かなくても棋譜は観ることができる今、梅田さんの体験した「棋士の息づかい」や「場に張りつめた空気」「一手に騒然とする控え室」などは無理だとしても、ストーリーとしての棋譜を楽しめる幸せを存分に享受できたらと思いました。
本書を読んで、梅田さんのような外部の人が将棋界に「ちょっかいを出す」ことによって生まれる新しい事って、たくさんあるんだろうな、ということを改めて思いました。それを受け入れる側の組織、そしてそこに良い刺激を与え続ける周囲。そんな構図が頭にくっきりと浮かび、私もそんな影響を周囲に提供しつづけるようになりたいと改めて感じました。
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