右手に「論語」左手に「韓非子」―現代をバランスよく生き抜くための方法 (角川SSC新書)
- 作者: 守屋洋
- 出版社/メーカー: 角川マガジンズ
- 発売日: 2008/01
- メディア: 新書
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私の主観ではありますが、人を信じることで楽しく生産的な社会を作ろうとする孔子と、人を疑うことで身を守る韓非子。そんなイメージがやはりこの本で裏付けられました。ともかくこの2人を並べて語るこの本は面白い。なんとなく(ちょっと違うが)孫子とクラウゼビッツを並べて語った「孫子・戦略・クラウゼビッツ」という本に温度が似ているなぁと思ったら、両方とも守屋洋さんのご著書でした。 両方とも印象がよい本で、機会があればまた守屋さんの本を読んでみたいと思った次第。
この本では孫子と韓非子の言葉をそれぞれ40ずつ、計80個紹介している。あまりピンとこないものあり、まさにそれだと膝を打つものあり。
その中で私のベスト1は「不憤不啓、不悱不発(憤せずんば啓せず、悱せずんば発せず。)」でした。本人が欲していない成長を助けるのは無理だという喩えでよく「水を飲みたいと思っていないロバに水を飲ませるのは難しい」と言っていましたが、まさにこのルーツは孔子にあったのだと知り嬉しくなりました。
余談ながらこのロバの喩えは記憶違いで、実際には馬だったようです。
“You can take the horse to the water, but you cannot make it drink.” 『馬を水飲み場へ連れていくことはできるが飲ませることはできない』
というアメリカ?のことわざだったそうで。 孔子のおかげで誤って覚えていたロバをウマにただすことができて、その点でもプラスアルファの収穫があった本でした^^
しばらく手元に置いておいて、時折ぱらぱらとめくりながら自らを律していきたいと思える本。
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