- 作者: 鈴木義幸
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2002/06/24
- メディア: 単行本
- 購入: 9人 クリック: 43回
- この商品を含むブログ (27件) を見る
この本でもやっぱりそうだ。「アクノリジメント」または「承認」。以前太田氏の「承認欲求」を始めとする一連の本を読んだ頃から非常に納得感の強かった「承認」である。
相手の存在や行為を「認める」こと。または(上から目線ではなく)「評価」すること。それがアクノリジメントの一部であると本書は説く。
過去のいわゆる「体育会系」の統率術を引き合いに、現代はその手法が通用しないと言う。慶応ラグビー部の監督に再度就任した方が、そういった時代をしっかりと理解しチームメンバーへの接し方を以前とは変えることでモチベーションの高い強いチームに復活させたという事例が興味深い。 教育者として只一つだけの「俺様教育論」を振りかざすのではなく、メンバーの最高のモチベーションとパフォーマンスを引き出すためにどうすべきかを、自らが多く持つ引き出しの中から適切なものを適用している点で、見習いたいと思った。
また本書では「怒る」と「叱る」の違いについても紹介していたが、その部分を読んで、そういえば最近どこに行っても「叱って」いる人を見ないなぁということに気づいた。実を言うと「怒って」いる人すら目にする機会が減ってきている。 他の人は何をしているかというと「愚痴を言っている」のである。 (部下側の立場の者が愚痴だらけなのはその未熟さ故看過されようとも、上司側に立つ者が愚痴しか言わないというのは、お笑いでしかない)
本書のタイトルは【「ほめる」技術】であるが、むしろ 「喜ばせる」技術 と銘打ったほうがより的確に内容を表しているように感じた。 もちろん語呂としては「ほめる」ほうがインパクトがあるのでこのタイトルになったのであろうが。
「相手が喜ぶことをする」、、、こう文字で書くとホンネとはかけ離れた行動で相手をだまして何かをさせようという黒いものを感じるかもしれないが、そうではなく、より正確には「相手に喜んでもらいたいという気持ちを持つ」ことこそが根底にあるということを意識するとより本書の理解が進むのではないかと思った。
.