回転扉での事故で、世間の動きがおかしなことになっている。回転数が速かったとかセンサーが効かなかったことばかりがクローズアップされているのだ。
もちろん再発防止のためにもこの点は調査をしっかりと行い、より安心して利用できる場所/モノとなってほしいと願う。
だが、本質はそこなのだろうか? 考えてみればごく当然のことに世間は気づいていない、あるいは敢えて目を背けている。
「とびこまなければ挟まれない」
という事実。
報道によれば、今回の事故は普通に歩いていて突然挟まれたものではない。回転している大きな物体に、「通せんぼ」の障害物を自らの意志で押しのけて飛び込んでいったのである。
普段からその「通せんぼ」をしているボールとリボンはかなり扉の中心にまで張り出してきていた。扉への入り口がその分狭くなり、不便さえ感じていたほどだ。ルールを守っていれば、挟まれるのは難しい。
機械そのものの調査ばかりではなく、厚生労働省や文部科学省にも再発防止についてできることがないか、考えてもらいたいと願うばかりである。