- 作者: 井筒俊彦
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1957/11/25
- メディア: 文庫
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- 作者: 井筒俊彦
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1964/01
- メディア: 文庫
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- 作者: 井筒俊彦
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1958/06/25
- メディア: 文庫
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2005年頃に買ったこの本。自分にとって喫緊の課題というわけでもなく、あとまわしになりがちだったが、7年越しでようやく読み終えた。
常に見られている。隠し事をしようとしても無駄だ。言うことを聞かないとこっぴどい目に遭うぞ。このことを様々なシナリオに載せて繰り返しているのが全体を通したスタンスであると感じた。
押さえつけるばかりでなく、一方では、様々な快楽を「お許したもう」寛大さを見せるなど、緩急のつけかたが絶妙だった。また、まるで法律や判例であるかのように非常に具体的に、行動ルールを述べている部分(婚姻についてなど)も少なからずあるのが、印象的だった。
この、[日本語による解説(翻訳みたなもの)]。一度全面改版されている。後書きの言を借りれば「改訳を試みたいというわたしの希望をこころよく容れ、一切の利害をはなれて前訳を直ちに絶版とし、数年の期間を与えられた岩波文庫編集部に心からなる感謝」だ。
この改訳が出版されたのが、1964年。50年近くも前のことになる。岩波の底力を見たとともに、50年経っても古さを感じさせない井筒氏の訳(解説)の技術に、心から敬服する次第である。
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