- 作者: 成毛眞
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2011/12/27
- メディア: 新書
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マキャベリというと「争いに勝ったら、敵方の奴らはみんな殺しちまえ!」とか「恐怖政治を布いて、皆に怖がられる男になるのだ!」など、「俺様」的暴君たることを勧める人だと思っていました。
しかし、マキャベリに対して愛のある成毛さんの目を通すと、非常に当たり前のことを説いているにすぎないように思えてくるから不思議です。「無条件で、むやみやたらに誰でも信じるもんじゃないよ」「へんなお情けに流されずに、キケンに対しては確実に対処すべし」と表現すると、随分と印象が変わります。
最近「勘違い読書法」を提唱している身として、本書でまず引き込まれたのが「はじめに」に書かれていたこの言葉。
なお、私は『君主論』を研究している専門家ではないので、解釈の仕方が違うと思う研究者もいるだろう。だが、本来読書とは自由なものだ。自分なりに解釈し、自分の生活に役立てる。それが読書の醍醐味なのだと私は考えている。
そう、「読書は自由」なのです。著者が伝えたかったことを理解すること自体に意味がある場合もありますが、それよりも、その本から自分が何を得たか。何を気づかされたか。それが読書の価値だと思っています。どんどん勘違いして、どんどん妄想して、自分の「気づき神経」を刺激したらいいと思うのです。
(もちろん、それを人に伝える際にはある程度の慎重さは必要ですが、成毛さんは十分に、ご自身なりにその点は担保した上での執筆でしょう)
読後感としては「うん。面白かった。読んでよかった。マイクロソフトでの成毛さんの経験なども交えていて、妙なリアリティがあったし!」です。
メモ:
・澁澤栄一「論語と算盤」。土ラッカーも読んだとか。幕末~大正。第一国立銀行(みずほ)、東証の設立。大正5(1916)出版。
・マキャベリは結構いいかげん、というか現実主義。「全部やるなんてムリ!できるフリだけしておけ(意訳)」とか。
・『君主論』は、これから頑張る人にお勧め(P171)
・十七条の憲法、そういえばちゃんと読んだ事なかったな。本、出ているのかな。