- 作者: シュテファンクライン,Stefan Klein,平野卿子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2009/01/28
- メディア: 単行本
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図書館で目に留まり、手にした一冊。よくある自己啓発書的な「時間管理術」の本かと思っていたが、全然違う。とても面白かった。
人間が「時間」をどのように認識可能なのか、その様々な実験も紹介されている。まっくらな洞窟の中で何ヶ月も過ごして、その「自己申告」時間がどれくらいずれるかの実験、楽しいことをやっているとき、嫌なことをやっているときの時間の流れ方の認識、絶対時間と相対時間。
短く感じる時間について、チクセントミハイをひいて彼の説明不足を多少批判するような形で「重要な要素は作業内容にあるのではなく、脳の情報密度がベストの状態にあること」と説く。
同時に複数の事をやろうとする非効率(ワーキングメモリはそんなに大きくない)、急げ急げと急(せ)くことのストレスの大きさ、自分でやることとそのタイミングをコントロールできることの重要さなど、予想していた以上に面白く読めた一冊だった。
原書の「Zeit」というタイトルを「もっと時間があったなら!」という邦題にしたセンスにも脱帽。