ダン・ギルモア氏の来日イベントに当選したので、参加してきました。以下の書籍『あなたがメディア!ソーシャル新時代の情報術』の著者の方です。
- 作者: ダン・ギルモア,平和博
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2011/07/20
- メディア: 単行本
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60歳とは思えぬ、颯爽かつ凛とした立ち振る舞いのギルモアさん。攻撃的でもなく、しかし核となる発想自体に並ならぬ自信があるようなそんな風格を感じました。
通訳は、会場では紹介されなかった気がするのですが(聞き漏らしだったら失礼しました)、『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?』の著者である瀧口範子さんだったとの情報を Twitter でいただきました。単なる翻訳ではなく適宜背景や情報を補足しながらの通訳が、大変わかりやすくありがたかったです。
書籍を読んだ時、わかりにくかった理由として、非常に多くの立場からの「メディア」を採り上げていることがあります。既存メディアの立場、振興メディアとして成功したい立場、メディアを目指す意志はないが結果としてメディア的な働きをする立場。立場に応じて前提条件が異なりますが、読書中にはその立場の違いに頭が切り替わらず、少し混乱したようです。
今回のイベントでのギルモアさんの話を聞いて、本質としては非常にシンプルなことだな、と感じました(すべて本の中に書いてあることでした)。
・(昔と異なり)今は言いっぱなしではなく多方向へ情報が流れる。
・オープンにする。秘密は漏れるものだし、嘘だってばれるもの。
とにかく「オープン」ということを強調するギルモアさんと、「取材源の秘匿(保護)」との兼ね合いを気にする参加者のやりとりが印象的でした。ギルモアさんは、必ずしもすべてを晒すことを推奨するわけではなく、情報源に危険が迫るものについては「完全な秘匿性を持った」仕組みによって保護されるべきでありその活動もしている、と説明されていました。技術的(ITに限らず)な観点からはこれ、難しいですよね。「情報」は何処かから発生し、なんらかの経路を通って取材者に伝わりますので、そのすべてをステルスにする必要がありますので。
私自身は特に気合いを入れて「メディア」の役割を演じることを目指しているわけではありませんが、「伝える」ということには多大な関心があり、その本質を語る人の思いに少しだけ触れられた気がしました。
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