マリー・ブランクを越え、スロールを越え、ツール・マレーの山頂に向かう、今ツール最大の「山場」のステージ。
スロール→ツールマレーという流れは、休養日前一昨日のコースの逆を行きます。つまり一昨日すごい勢いで下ってきたあの坂を2つ、登るのです(スロール側の登りは少し一昨日と違いますが下りは一緒のはず)。
逃げ集団が形成されて一時8分台まで開いたり、アスタナとケース・デパーニュのチーム総合争いなど、いろいろな出来事はありましたが、とにかくこの日の見所は、ツールマレーでのアンディ対コンタドールの闘いでしょう。
ツール・マレーに入ると、サクソバンクの激烈な引き。とにかく高速でみんなを途中まで連れて行って、、、、そのあとどうするつもりなんだろう?と思っていた矢先、アシストが品切れになりアンディアタック。ついていくのはコンタドールのみ。 そのまま逃げの選手をあっさりかわしながら2人でゴールへ。
終始アンディは前に出て引き、コンタが出ようとすると速度を上げて阻止。強さを見せつけ、まさに王者*1の走りでした。コンタがアタックをしかけたのは1回だけ。パワーがなく、アンディを引き離すことができずにすぐにやめました。一方のアンディも急加速でコンタを置いていくようなシーンはほとんどなく、それはコンタのカウンターを警戒したからなのかもしれませんね。
ゴールはアンディがコンタに「譲られた」という論調もあるようですが、最後10kmのうち9割以上を引いていたアンディに対して、マイヨジョーヌが最後だけちょい差しするというようなことはまずないでしょうし(いや、それがあるのがコンタドールなのですが。王者じゃないので。)、このステージでも「強いアンディ」を印象づけられました。
消極的な戦法とも取れますが、一方で、小さな仕掛け合いではなく、最大の力と力がぶつかりあった勝負として、素晴らしいステージだったと思います。
15ステージの行為についてコンタドールが YouTube で謝罪のような動画を公開したとか(私は見ていませんが)、とにかくふてくされずに一生懸命説明しているコンタの姿勢に周りも態度を軟化させてきたようで、ゴール後にはアンディがコンタの肩を抱くシーンも。 でもヒトのほっぺを何度も叩くなよ!コンタ!(笑)
表彰式でもようやくブーイングがかなり減って、このステージの闘いを称えるような歓声が増えてきました。コンタドールも表彰台で、ようやく安堵の表情を浮かべたように見えました。(だからといって過去の事実が消えるわけではありませんが)
明日は平坦で総合には影響ないでしょうから(うっかり中切れで置いていかれない限り)、あとはTTですね。 コンタのほうがTT速そうなイメージがあるので、このままいっちゃうかなーと思いつつ、アンディの「マイヨ・ブラン・マジック(そんなのきいたことないよ)」に期待したいと思います。 8秒、ひっくり返してほしいなー。
あ。あと特筆すべきは、羊ですよひつじ! 六十数キロ手前の地点で、プロトンが登ってる途中に急に崖のしたから羊の大群。びっくりしたけど、かわいかったー。事故なくて良かったです。
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*1:15ステージの39秒は、私の中ではなかったことになっているので