sakaikの日々雑感~日常編

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ウィトゲンシュタイン~マルコムの回想

 先日「ウィトゲンシュタイン入門」という入門書を読んだので、今度はウィトゲンシュタインの「人」に触れてみたく、本書を手にしてみました。いわゆる「マルコムの回想」と呼ばれているもののようです。


 端的に言えば、ウィトゲンシュタインはきっと私にとって「近くにいて欲しくない人」なのかなと思いました。気むずかしくて常に自分のペース、マイナス思考と言ってもよいだろう強い自己批判。それでも、その部分を割り切ってくれる人で、かつ信頼を寄せている人には心を開いてくれるようです。ノーマン・マルコムはウィトゲンシュタインにとってそんな一人だったようです。


 常に悩み、常に真剣に(おそらく脳と)対話していたウィトゲンシュタイン。その人と親しく付き合うことができる人もまた相応の忙しさを持つ人であることが多いだろうから、なかなかこのような手記がまとめられることはない。だからこそ、この本の伝える人物像はとても貴重なのだと思います。 

 好きか嫌いか、という観点ではなく、あの素晴らしい業績がどのような生活の中から生まれてきたのかに触れることができる喜びが、この本にはあると思います。

 ウィトゲンシュタインに興味を持ったら、ぜひ一度は目を通してもらいたい一冊です。


 

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