- 作者: 石津朋之
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2008/02
- メディア: 単行本
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リデルハートという人に興味を持ち、本丸の「戦略論」を読む前に周辺から攻略していこうと思って手に取った本。
著者は15年間リデルハートに関心を持ち研究してきた方のようだが、リデルハートへの「厳しい」評価に正直言ってがっかりした。良い面、悪い面を併せ持つのは人の常であり、本書でリデルハートを皆に伝えたいと思うのならば、より「良い面」へスポットを当てて欲しかったところだが(もちろん「悪い面」を無かったことにすべきという訳ではない)、本書の著者の性格を反映してなのか、非常に正直に(あるいは愛するが故に通常よりも厳しく)評価を行っているように感じた。
私が本書から受けたリデルハート観は、現代で言えば「テレビに出たりして色々意見言ってるけど、自分ではやらないしやる気もないし、言うこともその場の思いつき的なものが多かったり勉強不足による誤解をベースにした論が多かったりする職業評論家」のようなものだ。それがたまたま「間接アプローチ」という本質を射たアイデアを得たために、後世での期待値が膨らみすぎた、ということのようだ。
うーん。やはり新訳も出たことだし、そろそろ「戦略論」を読まないといけないかなぁ。。本書だけでリデルハートに対する負の印象を確定させてはいけないな、と思った。(旧訳のほうを持っているのでまずそちらを読むことになりそうだが、新訳も気になる。。。)
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