sakaikの日々雑感~日常編

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LIVE HACKS!

LIVE HACKS! [ライブハックス!]

LIVE HACKS! [ライブハックス!]


 大橋悦夫さんの最近のご著書はすべて読んでいますが、この本は一本飛び抜けたかなという印象を、読みながら感じました。

 テーマは「いかにして限られた時間を効果的に使うか」。この手のテーマを扱う本では多くの場合、時間を1日24時間であり、睡眠となにがしを除いた何時間をどう使うか、的な手法で、時間という閉塞した枠の中に押し込められたものの切り分け方を説いているように思います。 あるいはカステラをどう切り分けるか(カステラ1本が1日に相当するわけですね)という比喩と言ってもよいかもしれません。

 しかし大橋さんのこの「LIFE HACKS!」で考える「時間」というのは、カステラなどの最終プロダクトではありません。「畑」なのです。畑の面積は皆一緒(1日あたり24時間)であっても、手を掛け、良い種をまき、養分をやり、収穫まで面倒を見る。これによって他の人と差のつく充実した生活を送ることができるというのです。

 この「時間畑」の比喩を手に入れた時点で、この本の大成功は決まったようなものだな、と感じました。時間に対して「区切られたひとマスひとマスを埋めていく」内側に向いた発想ではなく、「その畑を足場としてどこまで大きな(本人比)ことをできるか」という外側に向いて可能性を広げていく(そのための準備や心構えをしっかりもつ)という、考えるだけでもわくわくする思考を与えてくれる比喩だからです。


 本質的には「1日24時間」というのが変わるわけではないけれども、喩えひとつで「24時間箱」の中で追われるように生活するか「24時間畑」から何を作り出してやろうかを考えられるようになるかが変わる、というのはすごいことだな、と思います。本当にいいテーマを見つけたものです。 「一本飛び抜けたかな」と冒頭に書いたのは、常日頃から時間の有効活用や作業の効率化について人並み超えたコダワリで考え続けた結果なのかなと感じました。


 惜しむらくはタイトル。 そろそろ「HACKS」という名前を冠した本も食傷気味であり、いまHACKS本を出すことで「柳の下本」という印象を与えることも少なくはないと思います。せっかくのおいしい比喩「時間畑」を前面に出したタイトルの独自色で訴求できるとよかったのになぁ、ともったいなく思いました。


  あなたの「時間畑」でわくわく豊作ライフ 

  「時間畑」を育てよう

  〓せる「時間畑」、肥える「時間畑」

  


 う~ん、これぞという名前はいま思いつきませんが、こんな感じ。


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