ワイリーの「戦略論の原点－軍事戦略入門」。270ページほどの本だが、ワイリーの戦略論の本文自体はその半分以下の、121ページに過ぎない。この121ページの中で 歴史上の戦略思想家の話や陸海空の各戦略理論などに項目をわけながら、「根性論ではない理論としての実践的な戦略論」を目指した解説を試みている。
かねてより私はクラウゼヴィッツの考え方には共感できない部分も多かったが、本書でも戦いの目的を鑑みクラウゼビッツの、極端に言えば破壊自体を目的としている戦略に対する評価は低いように読み取った。対して戦略に於いて重要な位置を占めているのが「累積戦略」。こちらはリデルハートを引き合いに出している。 リデルハートについては復刊した「戦略論」を手に入れたのでこちらも後日気合いを入れて読んでみたいと思う。
この本の残りの部分では、20年後に著者自身が書いた「あとがき」と参考記事、その他。
累積戦略に対してその重要度が増している点を指摘している。益々リデルハートを読むのが楽しみになってきた。
1967年に書かれた本。
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